熊本市での防災訓練に関する報告書「熊本市の震災対処実動訓練におけるLINEの利用と評価について」を公開

LINE株式会社と熊本市は、災害発生時に市民や職員間の有効な情報伝達手段を探り、今後の防災計画に活かしていくことを目的として、2017年4月12日に、「情報活用に関する連携協定」を締結※1しております。
※1:詳細は プレスリリース をご参照ください。

本協定の一環で、災害時における職員間の安否確認や情報共有ツールとしてのLINEの活用を検討するため、2017年、2018年の2回、安否確認・参集、避難所開設といった場面で、電話やメール等に加え、LINEも利用して連絡をとりあい、市職員が災害対応のシミュレーションを行う防災訓練を実施※2しています。その結果を取りまとめた報告書「熊本市の震災対処実動訓練におけるLINEの利用と評価について」を熊本市と共同で作成し、2016年熊本地震から3年目となる本日、公開いたします。
※2:訓練についてはCSR活動レポート をご参照ください。

本報告書は市の防災計画に活用いただき、引き続き訓練も共同で実施していく予定です。LINEは、今後も熊本市と連携しながら、地域防災および地域復興を推進してまいります。

  

■報告書の概要

・訓練実施日時
 -2017年度震災対処実動訓練
   第1回2017年4月14日(金)6時00分~8時30分
   第2回2017年4月16日(日)9時00分~12時00分

 -2018年度震災対処実動訓練
   2018年4月15日(日)9時00分~12時00分

・訓練想定
熊本地震と同等規模の地震が発生した想定で、職員間の安否確認や、避難所開設のための連絡手段に、電話やメール等に加えてLINEを活用し、その実効性を検証した。

 

■報告書サマリー
・普段使いのツールであるLINEを使ったことにより、教育コストが殆どかからずに利用でき、本訓練を通じて災害時の自治体防災における連絡手段になりえることが確認できた。
・情報収集・伝達訓練の通信手段の一つとして用意したLINEグループの活用効果として、伝達内容の同報性・記録性による情報共有の迅速化や伝言ミスの防止という点で、特にLINEの有用性が見出せている。
・職員安否確認訓練では、電話やメール、LINEなど伝達手段を自由に選択できるという設定のもと訓練を行ったところ、2017年度と2018年度の比較ではLINEの利用率は向上しており、かつ、2018年度の訓練ではLINEが最も利用されていることから、LINEの有用性に対する認識が高まっていることがうかがえる。
・避難所開設・運営訓練では、避難所44箇所の担当職員が入る120名程度のLINEグループを設置し、区の対策部と避難所担当職員の間での指示・報告がLINE上で行われた。ログ分析の結果、大きな混乱もなく区の対策部は44箇所の避難所の状況把握することができたと推察される。一方で、100名を超える大人数が連絡を取り合うグループLINEゆえに時間帯によっては情報が集中するため、特定のメッセージが埋没し見逃してしまうケースも散見された。この不備を補うためには、LINEに備えられているノート機能やアルバム機能、リプライ機能などといった諸機能の有効活用や、組織の指示命令に適合した階層的なLINEグループの形成により、一定の改善を図ることができると考えられ、次回以降の訓練の課題となった。

 

■報告書ダウンロード(全50ページ)