LINE CLOVAのAI技術やe-KYC技術を活用し、 金融機関向けにLINE公式アカウント上で提供
LINE Pay株式会社（本社：東京都品川区、代表取締役社長CEO：長福 久弘、以下LINE Pay）は、LINEのAIテクノロジーブランド「LINE CLOVA」が提供するAI技術との連携により、金融機関向けに、銀行口座保有者の継続的な顧客管理としての確認を「LINE」上で可能にします。2021年夏頃をめどにサービスを開始する予定です。
金融口座悪用対策の一環として、金融機関には、銀行口座の利用者が口座開設時に本人確認をおこなった名義人と同一人物であるかを定期的に確認する継続的顧客管理が求められています。これまでこの手続きは主に郵送物で行われ、金融機関にとって制作や配送などの費用が負担になっています。他方、口座保有者にとっては、書類の記入や返送対応の煩わしさから開封・返送されにくく、銀行口座を安心安全に管理する上で重要な手続きにも関わらずハードルとなっています。特に、犯罪収益移転防止法施行前の口座開設者については、現在の基準に即した本人確認を行うことで口座利用の透明性や安全性が保たれます。今冬「FATF(＊)」からの勧告も想定されており、金融機関の確認対象増加に伴って、継続的な顧客確認業務の効率化は経営課題とも言えます。
(＊) The Financial Action Task Force マネーロンダリング対策のための政府間会合
そこで、LINE PayとLINE CLOVAは、「LINE Pay」のオンライン本人確認（e-KYC）サービスなどを応用し、継続的な顧客確認をLINE公式アカウント上で実施できる仕組みを提供します。具体的には、LINE Payが金融機関から委託を受けて対象顧客に対する本人確認依頼の通知、トーク画面内での本人確認を行い、通知や本人確認の結果を金融機関へフィードバックするものです。トークのやりとりや本人確認は「LINE CLOVA」が提供するAI技術等により実現します。なお、この手続き内での本人確認前に、金融機関のインターネットバンキングログインなどを用いた本人認証も併せて行うことで、なりすまし犯罪などの防止策とする予定です。口座保有者の継続的な顧客確認を完全にオンライン化し、金融機関のオペレーションのDXに貢献します。
また、金融機関は、本手続きをきっかけに開設したLINE公式アカウントを用いて、本人確認後の顧客への金融商品のご案内や住所変更などの諸手続きを「LINE」でおこなうことも可能になり、バックヤード業務の効率化や、プロモーションの最適化にも活用いただけます。
将来的には、この継続的な顧客確認のサービス化に用いた仕組みを応用し、金融以外の領域における様々な認証や簡単な申請、来店予約などの諸手続きを「LINE」上でセキュアに行うことを可能にし、これまで生じていた摩擦を無くし効率化することをめざします。
「継続的な顧客確認」サービスフロー図：
※BPO＝Business Process Outsourcing
LINE Payでは、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」を提供し、本人確認機能を活用した安心・安全なキャッシュレス化の実現に努めています。また、今後の注力事業として、本人確認機能の提供プラットフォーム“LINE ID Passport”構想を掲げています。本人確認が必須となる金融領域をはじめ普及が加速するe-KYCに加え、今後マイナンバーカードを用いたJPKIによる認証にも対応するなど、公共・民間を問わず決済を伴う様々な認証ニーズに対し、LINE IDを基盤に安心安全な送金や決済サービスを提供する「LINE Pay」の特性を活かして決済・本人確認機能を提供するものです。
【LINE CLOVAについて】 https://www.linebrain.ai/
LINEのAIテクノロジーブランド。「生活やビジネスに潜む煩わしさを解消すること」や「社会機能や生活の質を向上させること」によって、より便利で豊かな世界をもたらすことを目指し、「ひとにやさしいAI」が自然なカタチで生活やビジネスの一部となるような、「これからのあたりまえ」の創出に向けて取り組んでいます。
自然言語処理、文字認識、画像認識、動画解析、音声合成、音声認識など、これまでLINEが自社サービス開発向けに培ってきた世界トップレベルのAI技術を外部企業等に提供しています。e-KYCに必要な技術である、顔認識技術、身分証に特化したOCR（文字認識）技術等を保有しており、これまでも企業や自治体への提供などを行ってまいりました。
e-KYCに関する資料請求および継続的な顧客確認サービスご導入検討の相談は、以下よりご連絡いただけます。
https://lb.linebrain.ai/contact.html
LINEグループは、今後もコーポレートミッションである「CLOSING THE DISTANCE」のもと、人と人、人とサービス、人とお金などの距離を近づけ、安心安全でより利便性の高いサービスを提供していきます。