Interview/

Takaguchi Taro

ーー自己紹介をお願いします
LINEには、2017年10月に入社しました。実は会社勤めが初めてで、それまでは国の研究機関で研究員として働いていました。データサイエンスの分野的に企業の方も主流になっていて、国の研究機関は動きが遅い部分もあり、世の中の最先端に触れていたいと思ったので、それができそうなLINEに入りました。現在の立場は、LINEの全社横断のデータ分析・活用を進める専門の開発組織であるLINE Data Labsの中のData Science2チームのマネージャーをやっています。
ーーデータサイエンティストの組織や役割を教えて下さい。
まずデータサイエンティストの組織や所属体制ですが、HRやO2Oなどの事業部の中にいる人もいれば、セントラルつまりData Labsに所属している人もいます。Data Labsの中にはデータサイエンティストのチームが私のチーム含め4つあって、広く多くのサービスを担当している1チームと、私の2チームはメッセンジャーとLINEスタンプ、3チーム4チームがそれぞれ金融と広告領域を特化して担当しています。Data Labsに所属しているデータサイエンティストがだいたい20名くらいで、キャリアもデータサイエンス系の受託会社やコンサル、メーカー、研究員、Web系企業など様々ですね。

データサイエンティストの役割としては、担当しているプロダクトに貢献することはもちろんなんですが、Data Labsでは特に全社のデータ活用レベルを上げることを意識しています。上手くいった事例を横展開するとか、データの集計をテンプレ化するとか、あとは研修プログラムをやったりもします。

LINEには、会社・グループの中に色々な形のサービスがあるんです。例えばサブスクリプションがあったりアイテム課金があったり。そういう環境だからこそ、データサイエンティスト間の連携は非常に重要視しています。人数が増えるとどうしても知見が個人化しやすいので、チームの中で共有会をしたり、Slackとかの雑談に近いことでも共有をして、ログが残るようにしています。
ーー具体的な業務内容を教えてください。
基本的に、業務は事業部のプロジェクトに合わせて動いていきます。たとえばアプリの機能を改善する企画についていえば、まず現状の数値を可視化して改善の目標値を設定します。次に、機能の実装に合わせて、必要なログの定義やチェックにも参加します。そして A/B テストなどの方法で改善の効果検証を行い、次の施策につなげます。プロジェクトの過程で、企画者や開発者など複数の部署とのコミュニケーションが必須であることがこのポジションの特徴だと思います。短期的なプロジェクトと並行して、長期的な事業の KPI をモニタリングするためのダッシュボード作成にも関わりますね。

データ量もユーザー数も大きく行動パターンも多種多様なので、データサイエンティストに求められる課題解決のスキルレベルは高く、やりがいのある業務です。
ーー今そして今後の課題はなんでしょう?
先ほども触れましたが知見の共有は常に優先順位の髙い課題だと思っています。あともう一つ、我々自身は売上をもっている事業部ではないので、言われたままやってるだけではダメ。データサイエンティスト側からこういうことをやっていきましょうと提案をしていくことです。

例えば、メッセンジャーの新機能の企画でも、基本的な企画があり、その効果があるかテストして検証データを出すという流れで従来やってきたんですけど、そもそもどういう機能をテストするのか、何に注力すべきかといった部分もデータから出していかなくてはいけない。そのためには、ユーザーを理解するための調査とか地道なことをやっていかないといけないと考えています。

それは、たくさんのユーザーが使っているからこそ、それぞれのユーザーに精緻化していかないといけないという部分もあって。LINEはコミュニケーションツールだと思ってる人がほとんどだと思うんですけど、コミュケーション以外でLINEを使う理由を増やしていかないといけないんです。今でもLINE上には膨大なコンテンツや機能がありますが、それらに触れて使う人を増やしていくにはデータが不可欠です。たくさんのユーザーに提供するたくさんのサービス・コンテンツがあるからこそ、どれだけ個人ごとに精緻化できるかが非常に重要です。

また、サービスとして歴史が長いことが課題になることもあって、たとえばアプリのボタン配置が今見ると論理的でない部分もあったりするんですよね。でも、ユーザーはそのボタン配置に慣れているので、簡単に消すとか修正するということもできない。ではどうすれば表示の合理性とユーザーからの理解とを両立できるかをちゃんとデータで見ていて、検証したうえで変えていくことが結局ユーザーにとって使いやすいものになる。成熟しているサービスだからこそ、ユーザーを維持しつつ、よりシンプルに使いやすいサービスにしていくということも求められていると感じています。
ーーデータサイエンティストに必要な素養やスキル、志向性などはありますか?
いわゆる科学的な思考力。難しいことをやるわけでなく、サイクルを回すんです。課題があって、解決方法を考えて、結果を検証して、その結果をもって何をするのか。それを論理的に人に説明しながら、納得感を持たせながら進めていく。そのプロセスは大学院で経験するような研究活動がやっぱり近いと思うんです。技術的に新しいことを知っていますというよりは、問題解決のサイクルを回したことがある人の方が魅力的だと思います。

それも1回で終わりではなくて、繰り返していることに意味があります。きちんと答えを出して、周りを納得させていける人。単に「これを作りました」よりも、作った後に次は何を考えたかということの方が興味があります。

会社や組織の文化的には、言われたことをやれるのではなく、自分で仕事を作れる人ですね。やってみようとなったときには、挑戦できる環境があります。ダメだったら作り変えて改善していけば良い。まず出してみて、反応をみて変えていく。そういうことを推進することは、年齢とか経験とかは関係ないと思います。
ーーLINEでデータサイエンティストとして働くやりがいは何でしょうか。
成熟されたサービスもあれば、でたばかりのサービスなど、LINEにはさまざまなフェーズのサービスがあって、それを一つの会社の中で共有しているというのはおもしろいと思います。それはサービス間だけではなくて、日本での結果を共有して、海外に展開していけるグローバルな部分もあります。この辺りは他の会社にはない魅力だと思います。日本だけではなくて、グローバルでユーザーリサーチなどもしていて、データを扱う身としてはすごく楽しいですね。

そしてLINEのユーザーベースとデータ量はやっぱりすごいです。ユーザーやデータが少ないと切り口が減ってしまいますが、本当に色んなことができる。逆にいうとすごく複雑な部分もあります。一言でLINEユーザーと言っても、いろんな使い方をしていて、一つに定めてこういうユーザーが増えると良いなというのが言えない。そういう環境なので、技術的には簡単なことでもうまく実施すれば効果が高いというケースもあって、技術的なチャレンジというより実際の効果があるという観点で楽しい。基本的なことも、技術的にレベルの高いことも選択肢に持った上で、最適なことを選んでいくというイメージです。

あと、今の状況だと一人で一つのサービスを担当しているので裁量は大きいです。この規模のデータを活かして、社内に説得力持ってアピールできるものをつくるのは、相当技術力が必要。私たちがさらっとやっていることを、初めてやろうと思ったらすごく時間がかかる、問われていることに正確に応えられないのに作業量だけ多いみたいな感じになってしまうと思います。この辺の感覚を掴めると、データを軸にキャリアを積む人は大きく成長できると思いますね。データ分析業界のあるあるとしては、データが揃っていない、作っても使われないなんですけど、これ何のためにやってるんだっけと目的を見失うことがLINEには全くない。データが求められていて活躍の場があります。
ーー活躍している若手、伸びる人の特徴はありますか?
オープンマインドを大事にできる人は、職種問わず活躍している印象があります。自分はこれしかやらないですとか、これだけがやりたい、では難しくて、周りが言ってることも聞けるし、自分の立場からはこうしたら良いというアウトプットも両方できる人ですね。

あとは、6割7割の完成度でも出してみて、指摘されることを負担に思わない人。いい意味でチームや周囲の人を頼れる人とか。色々上げましたが、要するに人と関わって仕事をすることが上手いということですかね。もちろん技術的なスキルであったりも大切なのですが、組織の中で働く以上周囲の環境も含めてどう貢献できるかをちゃんと意識することが活躍につながるのではないでしょうか。
ーー最後に学生の皆さんにメッセージを。
LINEでは、多くのサービスから膨大なデータを得ることができます。もちろん規約や会社としてのポリシーによって、取れない・取らないデータというものもありますが、たくさんの数字に触れられる環境です。その数字の中から、色んな部署の人たちとやり取りをして、その人たちが何を求めているのかを理解し、データの観点から貢献ができることは非常に魅力があると思っています。ぜひ一緒に働けることを楽しみにしています。