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中川 稜 / ネットワーク

自己紹介をお願いします
ITサービスセンター ネットワーク室 サービスネットワーク1チームの中川稜です。学生時代には、学生がサーバー・ネットワークインフラのトラブルシューティング技術を競う「ICTトラブルシューティングコンテスト」の運営委員を務めていました。そのコンテストのスポンサーにLINEがついていて、LINEのエンジニアがイベントに参加して学生にアドバイスをしてくれていたのが最初の接点でした。

他にも、日本のネットワーク運用者の集いであるJANOGというイベントで、LINEのネットワークエンジニアの登壇を目にする機会がありました。そのエンジニアのプログラムを聞いて、LINEは大規模なインフラを扱っており、ネットワーク関連の積極的なチャレンジをしていることを知り、興味が強くなりました。

就職活動の時点で、自分自身のネットワークのスキルには自信があり、この領域を仕事にしたいと思っていましたが、ネットワークしか携わることのできない会社は選択肢から外していたんです。私が携わっていたICTトラブルシューティングコンテストでは、ネットワークに強い人もいれば、サーバーに強い人、Webに強い人など多種多様な学生が集まっていました。そういった、さまざまな専門分野の人たちと、技術について会話ができる空間がすごく楽しかったんです。

私はネットワークを主戦場にしていますが、他の技術も好きですし知りたいという気持ちがあります。だからこそ、多種多様なスキルを持ったエンジニアたちと一緒に働ける会社が良いと思いました。LINEの環境は私のマインドにぴったりだと思い、入社を決めました。
業務内容や具体的な流れを教えてください
私の所属するチームは、LINEのサービス用のネットワークすべての企画・設計・構築・運用を担っています。具体的な私の担当領域としては、AS38631の運用やIP Clos Networkの構築・運用、Data Center Interconnectの設計・構築・運用、Fintech Networkの設計・構築・運用、パブリッククラウドの設計・運用、運用・検証に必要なシステムの開発などを担っています。プロジェクトの具体的な流れについて、事例を3つお話しします。

1つ目はトラフィックコントロールです。LINEではインターネットトラフィックとして、日次のピークが約800Gbpsになります。通常時は十分な容量を確保しているので問題ありませんが、障害発生時やイベントトラフィックが重なると夜間のピーク時に輻輳が発生する恐れがあり、トラフィックコントロールが必要な場合があります。このようなケースで、トラフィックコントロールに必要な情報を分析するために活用するのが、私が作ったモニタリングツールです。モニタリングツールでトラフィックの詳細を分析し迂回候補先の容量も確認した上で、ルータで広報する経路を変えたりBGPのアトリビュートを変更するなどしてトラフィックコントロールを行います。

また、トラフィック増加の原因が特定のサービスのリリースに起因し且つトラフィックコントロールが難しい場合は、サービス担当者とコミュニケーションをとってトラフィック量の調整について交渉します。また、場合によっては社外のISP(Internet Service Provider)との調整を行うケースもあります。ISPの担当者に連絡をして、どれくらいのトラフィックならば許容可能かなどを確認します。その上で、トラフィックコントロールのための手順書を作り、チーム内でレビューを行い、設定作業を行って、全工程が完了します。

2つ目の事例は、ネットワークの設計です。社内のサービス開発者には「Verda」というLINEのプライベートクラウドを基本的に利用してもらうのですが、特殊な要件がありVerdaを利用できない場合は、特別な設計の新しいインフラを作ることがあります。
そのようなケースでは、まずサービス開発者とコミュニケーションをして、通信要件や帯域などの各種の要件を確認します。その上で、最適なネットワーク設計の構成図を作っていき発注に必要な設計をしていくんです。そして、ベンダーからネットワーク機器の見積もりを取り、社内稟議を通して発注します。

ネットワーク機器が納品されるまでの間に、各種ネットワークの詳細設計を行います。そして、機器納品後に配線やマウントなどの工事をして、設定構築作業を行い、試験を行った上で運用を担うネットワークオペレーションチームに引き継ぎます。こうしたネットワーク新規構築のタスクにおいては、複数のステークホルダーと連携をとりつつプロジェクトを進めていくため、エンジニアリングだけではなくプロジェクトマネジメントのスキルも非常に重要です。

3つ目の事例は各種ツールの開発です。私たちはネットワークエンジニアとしての業務を円滑に進めるためのツールを内製しています。先ほどお話ししたような、ネットワークのトラフィック情報を分析できるツールなどはその好例です。このツールの場合は、NetFlowを使ってネットワーク流量を取得する構造になっており、VerdaにあるマネージドのKubernetesやElasticsearchの上でツールを動かしています。また、別のツール開発業務として、コンテナを利用して本番環境と同等の検証環境のネットワークを仮想で作る取り組みもしています。ネットワーク室には各チームから依頼を受けてツール開発を専門に行うチームもあり、ネットワークエンジニアの部署ながら開発にも力を入れています。
仕事を進める上で、意識していることはありますか
私たちが作成したネットワークインフラを使うのは、LINE社内の開発者たちです。「開発者たちにとって、最も望ましい形のインフラは何か」を、私たちは常に考えておく必要があります。とはいえ、開発者のすべての要望を取り入れることはできません。ありとあらゆるアーキテクチャ設計にはトレードオフがあります。ネットワーク構築にかけられる金銭的なコストや人的リソース、データセンターの物理的な容量などには限りがあるからです。そうした各種の制約がある中で、コストや品質、スケーラビリティなど各種の条件を鑑みつつ、最適な方法を選択しなければなりません。プロジェクトの状況を俯瞰して、意思決定を行うことが求められます。

私たちはLINE社内の開発者たちにサービスを提供しているからこそ、「彼らにとってわかりやすいコミュニケーションをとること」を大切にしています。もしもサービス担当者から抽象的な言い回しの問い合わせを受けたならば、具体的なIPアドレスやサーバー名を確認するなどして、状況を詳細に把握するように努めます。また、必要があれば説明のためのドキュメントを用意することもあります。どのような立場の人たちにも伝わるような、明快なコミュニケーションをとることが業務を円滑に進めることにつながっています。

私たちが触っている部分には全てのサービスのトラフィックが流れているので、入社当初はコマンド一つ叩くのもピリピリしていました。今でも緊張感と責任、それに伴うやりがいをしっかり感じながら働いています。ネットワークは何か問題が起きると全てに影響が起きる、本当に絶対止めてはいけないんですよ。1つの失敗や障害が大規模な影響に直結する環境で日々の業務を行うことで、作業への準備の仕方や障害に強い設計の考え方などが学びになってます。
おもしろいことや難しいことなど、働く中でこれまでに得た感触を教えてください
自分の考えたネットワーク構成や手順書を用いて、自分が構想した設定を入れて、トラフィックが想定どおりに動いた時が一番楽しいです。しかもそれがLINEの商用サービスにおけるネットワークのすべてを支えているわけですから、本当に大きな規模です。思った通りに構築できて思った通りの動きになった時は、本当に達成感が大きいですね。そして、何らかの障害が発生した場合などに、トラブルシューティングをして問題を解決できた時も、非常にやりがいを覚えます。

その反面、チームとして難しさを感じているのは、将来の見通しを立てにくい状況下でネットワークの設計を行う必要があることです。具体的には、たとえば現在世界中で半導体などの素材が不足しているため、ネットワーク機器をベンダーに発注してから納品されるまでに、長いときには12か月ほどかかってしまうケースがあります。各種の機器が納品されるまでにかなりのタイムスパンがある状態で方針を策定しなければならないという点は、非常に難易度の高い業務ですし、改善したい課題だと思っています。
LINEに入社して良かったと感じることはなんですか
尊敬できるメンバーが集まっていることです。私はLINEへの入社が決まってから、内定者アルバイトに取り組んでいました。アルバイト時代には、リモートワークではなくオフィスに足を運んで働いていて、ランチタイムには部署の方々と一緒にご飯を食べたり、チームの雰囲気をちゃんと把握できるように意識して会話をしていました。

チームメンバーと話す中で、みなさんが技術的に尖ったスキルを持つエンジニアであることや、家庭を大事にしていること、そしてメンバー同士の仲がとても良いことがわかりました。ネットワーク室のメンバーは平均年齢が比較的高めなのですが、若手のメンバーとも気さくに話してくれます。年齢や国籍など、いわゆる属性的な部分で壁を感じることはなくて、その印象は今でも変わりません。

LINEに入社したことで、自分のキャリアにかなりプラスの影響がありました。まず技術的な面としては、ネットワークエンジニアが幅広い業務領域を担当するため、身につけられるスキルが多岐にわたることです。

技術的なところで言うと、先ほども触れたネットワークを落とさないためのプロトコルの設計とかネットワークの設計の仕方、運用オペレーションの仕方とか、さまざまなベンダー製品とかのそういった細々したところは、着実に成長を感じられています。

あとは、コミュニケーション能力です。ネットワークやインターネットも色んなものが繋ぎ合わさってできている、他の領域と交わらないことには成立しないんですよ。 それと同じで、何かを成し遂げるには色んな部署とかと会話しないといけなくて、そういった意味でコミュニケーション能力は非常に上がったのかなと。もともと人と話すことは嫌いではなかったのですが、いろんな立場や役割や考え方の人と意思疎通を正しく成立させていくこととかは、慣れて伸びたという手応えはありますね。

また、エンジニアのコミュニティ的な要素でもLINEの強みと言える部分があります。LINEにはDeveloper Successチームという組織があって、自前でイベントやコンテンツを企画したり、各種のカンファレンスにエンジニアの登壇をアレンジしたり、イベントのスポンサーになったりという活動を積極的に行っています。

まだ開示されていない案件なので具体的には言えないのですが、最近イベントに帯同してくれたDeveloper Successチームのメンバーの方に気軽に、でもかなり大きな案件の相談をしたことがあります。実行するには企画や準備工数も費用面でも大きなコストがかかる話なのですが、私がやりたいという意志と組織的にもやるメリットをいくつか話しただけで賛同してくれて、必要な情報収集や相談を済ませて、1週間後にはCTOの承認が取られていました。要望を基本前向きに受け取ってくれる感じや、合意形成するまでのスピード感や実行力とか、良い意味の驚きがありました。

これは他のところでも感じられていて、そういうことを専門的に担う組織があって、そのチームの皆さんが能動的に動けているのは、会社としてエンジニアや技術コミュニティをすごい大切にしようとしてくれている意志の現れだと感じます。私もここ最近JANOGスタッフをやっていてるのですが、上司を含め周りはとても前向きで、非常に活動がしやすい環境です。こういったところは他の会社では聞いたことがないので、LINEならではの良さだと感じています。
最後にメッセージを
私のチームのエンジニアは、L1からL7に至るまで幅広いレイヤーの技術の設計・構築に携われますし、ツールの開発も自分自身で行います。かつ他部署や他社の方々とのコミュニケーションやプロジェクトマネジメントなども実施するため、アプリケーション開発以外のすべてのことを経験できます。全てが必要になるし、全てができるみたいなところが私にはすごく楽しいですね。

それに、何かに挑戦したい意欲のあるエンジニアがおり、そのタスクを担えるだけのスキルがあるならば、たとえ入社直後であろうと積極的に仕事を任せてもらえます。ネットワーク関連で何か取り組みたいことがあるとか、自分の腕を試してみたいという方がいるならば、その思いを実現できる環境として、ぜひLINEを選択肢に入れてほしいです。

「ネットワークエンジニアとして、すべての技術領域に携わってみたい」という気持ちがあれば、LINEはそれを実現できる環境です。そういった前向きなマインドを持った人ならば、絶対に楽しく働ける会社だと思います。

もともと私はシャイな性格で「自分のスキルが果たしてLINEで通用するのだろうか」という心配も多少ありました。でも、こうやってLINEで活躍できています。ネットワークエンジニアがこれほど挑戦できる会社は他にはありません。

自分にとって無理のない範囲からLINEのことを知ってもらえると嬉しいです。そして、会社や業務内容に興味が湧いたのならば、ぜひ私たちと一緒にLINEで働きましょう。