Interview/

Ayumi Inagaki

自己紹介をお願いします
稲垣あゆみです。2010年に当時のネイバージャパン(現LINE)に入社して、LINEアプリの立ち上げ時からサービス企画を担当をし、今はLINEプラットフォーム企画統括という立場で上級執行役員を務めています。2018年に子どもを産んで、今は子育てをしながらLINEプラットフォームの企画や組織の成長のためのマネジメント業務を主にしています。

2020年から、社内のサービス企画やプロダクトマネージャー(PM)と呼ばれる領域の人たちの横断的な採用活動を進めていて、どういう人がLINEに必要か、どう採用していくかという部分にも取り組んでいます。サービス企画職の新卒採用でも、欲しい人材像や採用基準のすり合わせを行っています。
サービス企画職が担う業務や役割について教えて下さい
サービス企画職の役割としては、プロダクトの方針を示しながら、それを推進する人ですね。事業やサービスのフェーズや体制によって求められる範囲は変わって、事業責任者という意味合いになることもあれば、プロダクトや機能の責任者のときもある。収益を目指すフェーズもあれば、ユーザーに提供する価値だけをとことん追求するときもあります。決裁権がどうこうというよりは、プロダクトやサービスをつくっていく上で進めなきゃいけないことを、そのときに必要なポジションだったり役割を見つけて、自分自身や周囲をうまく活かして推進する人とだと思います。

もちろん人によって得意なことは違うと思うんです。収益化がすごく好きで得意な人もいれば、プロダクトづくり、ユーザーのニーズやユーザーシナリオを考えるのがすごく得意な人もいる。全てを自分ができないといけない訳ではない、でも今このプロダクトにおいて何が必要かを判断して、解決のための人を調達してきたり、調整する事もすごく大事な役割。そして、ときには自分でそれをやっちゃうこともあると思います。 「なんでも屋」とも言われるけれども、とにかくサービス・プロダクトを良くするためにあらゆることをして、何とかする人ですかね。

ただ、うちの会社の環境だと自分で全てやることよりも、周りの人とどう協力して進めるかがより大事です。周りには各分野のプロがたくさん居て、彼らをどう同じ方向に向かわせて、やる気になってもらうか、開発やデザインを信頼して、そして信頼されて巻き込んでいけるか。関わる人達をプロダクトにコミットさせる環境や理由を引っ張って整えることを求めています。私が入社した頃に比べて、LINEが流行って浸透してからは、どんどん会社が大きくなり、事業やサービスも増えているのですが、求められる役割や心構え、根本的な部分はこれまでもこれからも変わらないと思います。

具体的な仕事の内容としては、新しいサービスや機能をつくるときに要件をまとめるプランニングやそのためのリサーチだったり、エンジニアやデザイナーとコミュニケーションして実際につくるものをブラッシュアップしたり。サービスを出してからも、どうしたらユーザーの利用が活性化するかを考えてキャンペーンを企画したり、何か課題があればその原因をとらえて、改善を繰り返します。全部を一人でやるわけではないですが、そのサービスにおける全ての要素に主体的に関わっていきます。具体的には、鈴木さんがインタビューで語られているはずなので、ぜひ見てみてください(笑)。
LINEでサービス企画担当として働く価値や得られる経験を教えて下さい
サービス企画の仕事のおもしろさは、自分のやる気や意志があれば、何でも実現できるところですかね。もちろん他のポジションができないってわけじゃないんだけど、プロダクトをつくるって意味でも、自分のキャリアや成長のための機会の幅の広さとしても、何でもできる楽しい仕事だと思っています。サービスも多様で、ユーザーが既にたくさんいるサービスもあれば、これから新しく始まるものもあります。色んな経験ができますし、サービス企画やPMの仕事は自分次第でその中心となって色んなことに関与できる。あれもこれもやりたい、なんとかしたいって人にはとても楽しい仕事だと思います。色んな部門と関わって、力を借りて吸収して、仕事を通じて自分を育てていく感覚があるはずです。

LINEという会社で働くことの面白さだと、大きな変化がたくさんあること。タイミングや状況によって最適な判断が求められて、いつも頭を最大限使う必要がある。仕事に刺激や成長を求める人には向いていると思いますし、変化だらけのカオスな環境が好きな人が多いです。コロナなど社会全体も変化が激しく、いろんなパラダイムシフトが起きる中で、そこに柔軟に対応して追い付いていける会社や組織はそんなに多くないと思っていて。LINEの変化に強いところが、すごく好きなところです。この感覚に共感できて、一緒に汗水流してがんがん進められる人、自分もいろんな人を巻き込んで何かを成し遂げたい人には、すごく楽しいと思います。

もう一つ、安定とは違うのですが、いろんな挑戦ができて、成功の可能性が高いことも個人的に良いところだと思っています。

スタートアップ企業を志望する人もいると思いますが、ある程度の規模のユーザーにリーチするためには、結構な資本力がないと難しくなっていますし、当たり前ですが、小さい会社だと一つの事業やサービスしかできません。資本が限られているから、人もお金も集中しないと成功する可能性すらなくなってしまう。その一つに本当に惚れ込んでいる人は、ぜひそこでどっぷり挑戦をすべきだと思いますが、そうじゃない人がスタートアップに行くと不完全燃焼するんじゃないかなと。私自身が大学を卒業してすぐにスタートアップで働いていたので、振り返るとそのように感じます。

あと、会社のカルチャーが自分の生き方や価値観と合っているかは大事だと考えています。

私は仕事を選ぶ際に、会社の都合で転勤したり職種が変わったり、「自分のキャリアがいつどうなるか分かりません」みたいなところで、絶対に働きたくないんですよ。そして、「若い女性でも性別に関係なく活躍ができる」ということが、当然にある環境しか考えていません。また、LINEでは、男性も育休を取る人が多いです。熱を出した子どものために仕事を調整するのは当然だと思ってる人が大多数で、ネガティブに受けとられないし、休む方も負い目を感じなかったり。LINEではそれによって何か差別されることはない。こういう部分って、生きていく上で大事だと思うんですよね。自分の人生をどう生きたいか、そう考えると環境選びはすごく大事。就職活動では、単にこの事業分野や職種に興味があるからというだけではなく、どんな価値観の人が働いてる会社か、その価値観が自分に合っているかは、考えてみると良いと思います。
サービス企画職に求めるスキル・素養は何ですか。
より良いものをつくるために結果にコミットできるか、新しいことを貪欲に吸収して学んでいく探求力があるかは、求める重要な素養だと思っています。プロダクト開発の知識やデータ分析など、業務スキルももちろんあれば良いですが、マインドはより大事。そして、実際の行動を伴って何を実現してきたかを重視して見ています。私は、新卒で入社してからがその人のキャリアの始まりだとは思っていなくて「やる気も興味もあるけど今まで何もしていませんでした」という人に対しては、本当かな?とちょっと疑います。

というのも、私は「キャリア」は、後ろにできていくもので、それまでに自分がやってきたことや歩んできた道だと、考えています。将来への希望や期待だけではなく、これまでにその人が実際にやってきたことがLINEで働くことにつながっているか。もしLINEで何かプロダクトや事業をつくりたいなら、その興味について既に行動が起きていると思います。その気があれば、プロダクトをつくるインターンをしていたり、関連する本やニュースを読んだり学んだり、今は少し手を伸ばせば、色んなチャンスは溢れていると思うので、その有無で説得力が違ってきますよね。自分の生き様の連続性でしかないと思います。年齢や経験に関係なく、自分のキャリアのストーリーがある人が、結果にコミットできて、学び続け、成長していける人だと思います。

あと、就職活動というのは、会社側が学生の中から選ぶ、という訳ではなく「相性」ですよね。すごく優秀だけど、むしろLINEじゃなくて、こんなところで働いた方が良さそう、という人も中にはいます。なので、学生の皆さんは面接を受ける時に、自分も選ぶ立場として客観的にLINEと自分は合うか、他社と比べながら臨んでほしいですね。 単にLINEで働いているというステータスに憧れてる人には向いていないと思っていて、自分が何をしたいかそのために会社に何を求めるか、はっきりしている人が良いですね。

少し話が飛びますが、いま欧米を中心に、いわゆる「PM」という職種に光が当たっています。私が学生の頃はPMという職業はなくて、私は就職活動するときに「サービスをつくりたいけれども私はエンジニアじゃないし、どうしよう」と悩んでいたくらいです。そうして、事業計画を考えたり、ウェブディレクターをしたり、アプリを企画したり、プロジェクトマネジメントしたり、色々な仕事をしていたら、いつの間にか「PM」と呼ばれていました(笑)。

何が言いたかったかと言うと、LINEやその部門に入っただけでは、残念ながらPMにはなれません。ただ、なれる可能性のある、コミット力だったり探求力だったり、視座の高さを持っている学生さんはたくさんいますので、業務を通して、周りに認められて信頼ポイントを勝ち取って、PMとして活躍する人材になっていって欲しいです。
最後にメッセージを
社会の変化はますます激しくなっていて、いま確実に安定した未来なんかないと思っています。5年後、10年後、20年後にこうなっていたいとか安定的なキャリアステップを描きたい人は、新卒から定年まで勤めあげるのが普通な大企業に行ったほうが良いし、LINEは選ばない方が良いと思います。未だに変化が読めない会社です。LINEがヒットして、社名が変わって、上場して、金融やAI事業をはじめて、今度はYahoo!と経営統合しますとか、毎年大きな変化ばかりです。そういう変化が心からおもしろそうと思える人に挑戦してほしいですね。

最後に、先日、社長の出澤さんと新卒1年目の皆さんとが交流する機会があって、そこで「30歳までに自分の本職を見つけたほうがいいよ」という教授の話が大学時代に印象に残ってるという発言があったんです。

私も体感として、20代はすごく業務スキルを求めていて、色んなことに興味を持って手を出しいて、30歳くらいで私が一番得意なのはプロジェクトの推進(プロジェクトマネジメント)かな、と腹落ちして自信になった感覚がありました。どう筋道を付けてプロジェクトを成し遂げるか、みんなを巻き込んでどう進めていくかということに関しては、自分の得意な仕事だなと、ふっ切れたんです。でもその感覚は、たくさん悩んだりトライしたからで、新卒のときにはわかり得なかった感覚だと思います。そういう意味では、LINEは20代で色んな経験をして、30歳くらいで方向性を定めるためには良い環境です。 他にも良い会社はいっぱいありますが、若くてもちゃんと自分で色々考えて見極めて悩める環境はあるんじゃないかなと。

今これを読んでいる学生の皆さんには、就活をスタートやゴールと思わず、今できることを全力で色々取り組んでもらって、興味や自分の感覚を広げていってほしいです。そして、その延長線にLINEがあれば、ぜひ一緒に働けると嬉しいです。