Interview/

Ryo Imai

自己紹介をお願いします
Data Science 1チーム所属の今井遼です。大学・大学院ではコンピュータサイエンスを専攻していて、LINEには2019年に新卒で入社しました。

LINEを就職の選択肢に入れたのは、日本でもトップクラスのユーザー数・サービス数を誇るLINEのデータ分析に携わりたいと考えたからです。学生時代にスマートフォンアプリから取得される位置情報を分析する研究に携わっていて、その過程でユーザーの行動分析やモデリングに興味を持ち、それを事業に活かせるような仕事に就きたいと思うようになりました。あとは、研究室の後輩がLINEのインターンシップに参加していて、楽しそうだったというのもあります(笑)。

面接や内定後に設けられた先輩社員との面談の機会や、技術カンファレンス「LINE DEVELOPER DAY」への参加を通して、自分がやりたいことが出来る環境だと感じたので、入社を決めました。
業務内容や具体的な流れを教えて下さい
現在の業務としては、LINE MUSICの分析と、LINEのサービスから取得される位置情報の分析を行っています。具体的には、「施策を良くしていくための分析」「推薦システムやUIなどのA/Bテストの設計・評価」「データが仕様通り取得できているか、分析に耐えうるクオリティになっているか、どういったことに利用できそうかなどの基礎的な分析」などの設計・分析・評価の仕事が中心です。集計や分析以外では、LINEアプリのトークリストの最上部にあるSmart Channelにおいて、誰にどのコンテンツを出すかというアルゴリズムの検討や実装も担当しています。

案件によって発生の仕方やフロー、関わる人たちは異なります。例えば事業部側が行った施策を改善していくための分析を例に挙げると、「施策の効果を試算するための実施前の分析・レポート」→「施策の実施」→「必要なときに必要なデータを見るためのダッシュボードの作成」→「施策の効果を受けて、その原因やより高い効果のための改善点を見つける実施後の分析・レポート」→「施策の改善」といったプロセスになることが多いです。この中で私が行うのは実施前後の分析・レポートとダッシュボードの作成になります。

また、プロジェクトによらない基礎的な分析は、新規のデータが取られ始めたとき、メジャーなバージョンアップがあったとき、何かの分析中にデータに気になる点があったときなどに自主的に始めることが多いですね。基礎的な分析も業務のフローや関わる人は分析内容によって異なります。例えばデータが仕様通りに取得できているかということを分析する際には、「データの仕様確認・検証項目の整理」→「仕様通りに取得できているかの分析・レポート」→「必要な場合は取得契機などの見直しやバグ修正」→「修正後、仕様通りに取得できるようになっているかの分析・レポート」といったフローになります。このケースでは、主にエンジニアや同僚の分析者に向けてレポートを行うことになります。
仕事を進める上で、意識していることはありますか
業務の中で意識しているポイントとしては、大きく3つです。

まず「人を動かす分析をする」こと。ただ分析をするだけでは、少なくとも事業にとっては意味がありません。分析の価値とは、事業全体や企画者、エンジニアなどがどんな行動を取るべきかの判断材料を作ることだと私は考えています。そのために、誰にレポートするのか、実際に行動を取る人が判断をするためには何を知る必要があるのか、といったことを常に意識して分析を行うようにしたり、行動を取る人が次に何をするべきかを必ずレポートに含めるようにしたりしています。

次に「得られた知見は必ず共有する」ことです。分析をしていると、ユーザの行動に関する知見やデータを分析する上での注意点など、様々な知見が見つかります。こういったものは、影響が大きそうなものはすぐにチャットしたり、ミーティングで共有したりしますし、小さなことであってもなるべくWikiに残すように意識しています。担当しているサービスでは細かな知見や注意点を蓄積しておく、困った時に参照するWikiを作るようにしていて、自分自身何度も参照していて、めちゃくちゃ助かっています。

最後に「自動化を意識する」ことです。分析にかける時間を増やすため、なるべく自動化できる部分は自動化するように努めています。例えば分析プロセスの中にダッシュボードの作成がありますが、データの規模が大きいため単純集計に時間がかかることがあります。そのため、前もって数字を見る方が定期的に見たくなりそうな統計値を洗い出し、1日ごとや1時間ごとに集計を行うダッシュボードを作成するようにしています。また、キャンペーンなどで特定の特徴を持ったユーザを抽出してほしいといった依頼がありますが、こういった抽出も自動化出来るように、特徴をパラメータにして対象のユーザを抽出するようなツールを作成しています。他にも、定型的な業務はツールを作成するなどして、できる限り自動化するようにしています。自動化は、LINEの開発組織の人たちだと、けっこう意識されている部分かなと思います。
おもしろいことや難しいことなど、働く中でこれまでに得た感触を教えて下さい
「ユーザーの行動分析やモデリングを事業に活かしたい」という思いでLINEに就職しましたが、実際にそれが可能な環境だと感じています。また、ログ設計や取得契機の検討といったレベルで関わることができ、やりたい分析に対して欲しいログを取得して貰えるところも魅力の一つだと思います。ただし、あらゆるログが何でも取れるわけではなく、新しいログを取得するためにログの必要性を明確にしてエンジニアやPMを説得することもあります。ちゃんと意図や必要性が伝えられれば応じてもらえるので、取り組みがいのある部分だと思います。

難しかったり、課題だと感じたりしている点は、時に一つのサービスの利益だけを考えれば良いわけではない場合があることです。LINEではメッセンジャーを中心に沢山のサービスが展開されていて、例えばLINE MUSICの楽曲をLINEアプリのプロフィールに設定できる機能など、サービス間を連携した機能もあります。こういった連携機能に関する施策の中には、あるサービスにはプラスの影響があるがもう一方のサービスにはマイナスがあるなど、それぞれのサービスの利害が一致しない場合もあります。こういった中で、双方にプラス影響となるような施策にするための分析や数字作りを受け持つことがあるのですが、双方が何を重要視しているのかを正確に把握しなければいけない。関わる人も多くなるので、難しいことが多いですね。

個人的に成長したと思っているのは、統計スキルです。学生時代はモデリングの研究を行っていたので、機械学習の勉強が主になり統計学はあまり勉強していなかったのですが、就職してからは日々業務で扱っていることもあり、統計的なスキルが磨かれたと思います。また、分析で人に動いてもらうためには課題意識を把握することや、こちらの意図を正確に伝える必要があるため、広い意味でのコミュニケーションスキルは意図的に磨いていますし、入社前と比べて着実に成長していると思います。

業務を行う上で必要だと思っているのは、先述したとおり「人を動かす分析をすること」ですね。必要とされている分析を行い、わかりやすく説得力のあるレポーティングをする必要があります。就職前に学んだことで特に役に立っている経験は、研究のサイクルを回していたこと。課題意識の分析問題への落とし込み、仮説検証、レポートへのアウトプットといった分析のプロセスをこなす上で、研究室で研究のサイクルを回していた経験がとても役に立っていると感じます。
LINEに入社して良かったと感じることはなんですか
一つの会社にいながら様々なプロジェクトの分析を知ることができるのは、LINEに入社する上で良かったと思う点の一つです。

私は全社横断的にデータを扱うData Labs、その中でもLINEのファミリーサービスやSmart Channelの分析を行うData Science 1チームに所属しているのですが、Data Labsには他にもメッセンジャー部分の分析を行うData Science 2チーム、金融サービスの分析を行うData Science 3チーム、広告の分析を行うData Science 4チームがあります。毎週チーム間での知見共有会が行われ、様々なプロジェクトの分析事例を知ることができるのは、おもしろいですね。

また、複数のプロジェクトの分析を担当することが出来ているのも嬉しい誤算でした。現在私はLINE MUSICと、LINEアプリから取得される位置情報の2つの分析を担当しているのですが、LINE MUSICではリリースから5年以上経ってデータを見て判断しサービス改善を続ける文化が根付いている一方で、位置情報はこれからサービスに活かしていこうという段階です。成熟度が全く異なる2つのプロジェクトに同時に関わることができているのは、非常に貴重な経験だと感じます。

新卒でLINEを選んで良かったと感じる点としては、同期のエンジニアとの交流ですね。データサイエンティストとして業務を行っていると、業務で関わるのは企画者や他のデータサイエンティスト、分析者に偏りがちになってしまうことが多いです。新卒として入社すると開発やインフラ、セキュリティなど様々なエンジニアとチーム開発研修を受けることになります。研修が終わった後も交流が続いていて、フロアが同じ同期のエンジニアと昼食を一緒に食べたり、業務終了後に夕食に行ったりするなど交流の機会が多く、何気ない雑談が刺激になります。最近はコロナで出社していないのでめっきり機会がなくなってしまったのですが、チャットなどでエンジニア同士で気軽に雑談できるのは良いですね。
最後にメッセージを
LINEはサービスの種類やそれぞれのユーザー数が多く、また関わる人たちもサービスに対して高い熱意を持っていて、データサイエンティストとして働く上で非常に楽しく刺激的な場所だと思います。
色んなデータに触って分析してみたい、データ分析によって事業の成長に貢献したい、という方にはぜひ応募していただきたいです。

また、データサイエンティストとしての就職を検討している方でもそれ以外の方でも、研究に取り組んでいる方にはその研究に真剣に向き合ってほしいなと思います。データサイエンティストは特に研究の経験が活かせる職業の一つだと思いますし、それ以外の職業でも、研究の経験は決して無駄にはならないと思います。