Interview/

Kim Sunkwan

自己紹介をお願いします
クリエイティブセンターのセンター長をしているKim Sunkwanと申します。LINEの海外展開を主導するLINE Plusのデザイン組織Creative Labのリードも兼務しております。

エージェンシーを経てYahooやGoogleなどのグローバルIT企業で数多くのプロジェクトを経験してきました。特に前職のGoogleでは、検索UXのデザインや、Google+のデザイン統括、デザインシステムを構築し各サービスのデザイン統合を図るKennedy ProjectなどGoogleの中核的プロジェクトをリードしてきました。Googleのデザインプロセスである「Sprint」の最初のプロジェクトも担当しました。その他にもNianticLabsでの挑戦など色々とあるのですが、ここには書ききれなさそうなので割愛します。

LINEには2019年10月にジョインしました。グローバルな環境での経験を活かし、LINEそしてクリエイティブセンターを世界中のデザイナーが目指す、働きたいと思うような会社、デザイン組織にするために入社しました。

クリエイティブセンターにおいては様々な役割を担うデザイン組織を統括する立場として、デザイン戦略とビジョンの設計、デザイン哲学及びそれに基づく新技術の設計・開発・リリースに重点を置き、デザインの一貫性、デザイン経営、UXのベストプラクティスの創出などを主導しています。Creative Labでは、クリエイティブセンターの支援業務やブランドデザイン戦略の構築を行っています。未来志向的に今後LINEのデザインが進んでいく方向性についての研究を行っています。効率的なデザイン開発を意識し両組織を運営しています。

新卒採用に限らず採用活動全般の方針策定、選考基準の設定、そして最終面接では直接みなさんにお会いして選考に関わっていく予定です。
LINEのデザイン組織は、どのような構造になっていますか
LINEのデザイン組織であるクリエイティブセンターは、多様な専門性とミクロな専門性を兼ね備えています。

まず、LINEの各種サービスのUIデザインを担当するUI(User Interface)デザイナーが所属するのがUIデザイン1室、2室です。それぞれが新規サービスの提案や研究・リサーチ、デザインシステムの設計などの業務を行っています。細かくは、コマース・O2O・金融・法人事業など、LINEが提供する様々な事業・サービスを領域ごとに区分して、2020年10月現在8つの専門チームがデザイン業務に従事しています。

続いて、ブランドデザインを担当するBX(Brand eXperience)デザイン室です。各サービスのブランドづくりや、それを通じた体験をどのようにつくるかを考えて、デザインする部門ですね。アウトプットは様々で、サービスのロゴやアイコン、名刺やイベントのノベルティなど、主にオフライン領域におけるクリエイティブを担っています。広義でのLINEのブランドアイデンティティを担う組織で、2つのチームが業務にあたっています。

次に、サービス全般における映像・写真・モーショングラフィックの制作を行う映像デザイン室。モーショングラフィック領域と実写領域をそれぞれ専門に行う2つのチームがあり、主に映像による様々な課題解決に取り組んでいます。

そして、オフィスやイベントなどの空間デザインを担当しているスペースデザインチーム。様々な空間にどのようにブランドアイデンティティ要素を組み込むか、空間を通じてブランドの価値を伝えるかを深く研究し、設計・実現する組織です。

最後に、クリエイティブコミュニケーションチーム。クリエイティブセンターの採用やPR活動などを主導し、組織のサポートも行っています。よりデザイナーが働きやすくなるように、強固な組織づくりを達成できるように、様々な活動を行っています。クリエイティブセンターのnoteを運営しているのも、このチームです。より詳しい業務内容や組織の文化を発信しているので、ぜひ参考にしてください。
デザイナーが担う役割について教えてください
LINEのデザイン組織に求められることは、問題を解決するためのより良いデザインを追求すること、そして、普遍的なデザインの解決策を提示することです。

大きな役割としては、もちろんデザインをつくること、そしてそのデザインによってサービスや事業、そしてユーザーの課題を解決し、LINEのミッションである「CLOSING THE DISTANCE」をデザインの力で推進していくことが求められます。ただ美しいもの、斬新なものをつくる人ではなく、課題を解決するために誰よりもユーザー視点に立ちより良いアイデアを生み出し続ける人がデザイナーです。

そして、もう一つ。私たちは組織のモットーとして「Challenge」を推奨しています。変化という部分も大事なのですが、挑戦することにより比重を置いています。私たちは今年から組織を特定の事業領域ごとに明確に区分し、その事業領域に対しての深い理解と専門性、より強い責任を持つという構造に変革しました。事業領域ごとに、サービスや事業の環境を深く理解することで、これから訪れる変化をキャッチアップし、デザイナーの立場から事業やサービスをリードすることを求めています。色々な事業部と協業する中でもリーダーシップを発揮して、個人としても挑戦しながら、事業・サービスとしての挑戦も率いてくれることを期待しています。そのためにも、私たちは組織環境の整備や様々な支援を行っていきます。
LINEでデザイナーとして働く価値や得られる経験を教えてください
私がまだジュニアレベルのデザイナーだったときから、あらゆるデザインに接するときの哲学がいくつかあります。それらは、LINEでデザイナーとして働くことで得られる価値と同一なはずです。

一つめ、まずは必ずストーリーからアプローチするということです。

意味のない美しい絵や色、アイコンやレイアウトを描くことは、ある程度の経験を積んだデザイナーならば誰でもできることです。しかしコンテキストを正しく深く理解することができる、それを自分の言葉で説明することができるデザイナーは多くないと思います。簡単に見えるプロダクトであっても、どんな意味を持ってデザインしたのかコンセプトは明確にすることが大切です。

二つめは、シンプルな思考でデザインにアプローチすることです。

インスピレーションは想像から生まれるものではなく、身近なものから得ることができます。そしてそれをうまく単純化しデザインに組み込むのです。そのためにデザイナーは日常の中であらゆる物やストーリーをデザイン的に見る目を持たなければなりません。たとえ複雑なプロジェクトであっても、単純化されたインスピレーションの素材がデザインに反映されていれば、それは良いプロダクトになります。

そして、LINEは多くのユーザーために様々なサービスを提供していて、そこには多様な人々による素晴らしい仕事があります。LINEには、優秀なデザイナーはもちろん優秀な開発者、企画者などが本当にたくさんいます。そういった優秀な人々と刺激し合いながら成長し一緒に挑戦ができる環境はとても価値があることです。そして何より、多くのユーザーに喜ばれる便利で楽しい体験を提供するために努力することは、働く価値を実感できる大切な要素だと思います。

また、LINEではデザイナーに成長を続けてもらうために、様々な支援を行っています。いくつか具体的な取り組みを紹介しますね。

■シニアデザイナーによるメンタリング

優秀な経歴と豊富な経験を持っているシニアデザイナーが、新しく入社された方やジュニアデザイナーのために、会社生活や業務を支えるアドバイスやコミュニケーションを行います。このメンタリングは、指導するシニアデザイナー側の成長にもつながる相互補完的プログラムとなっています。

■プロジェクトのレビューと振り返り

LINEでは、企画からデザイン、開発、テスト、ローンチ、効果の確認のサイクルが短いです。そういった時間的に限られた状況では、「この程度で良いだろう」と自ら枠に収めてしまうことが起こり得ます。こういった思考を持つと、本来の力やそれ以上の能力を発揮できなくなります。良いものと、最高に良いものの差は、実はほんの少しです。最高のアウトプットを生み出すために、プロジェクトの中間レビューで検証とフィードバックを徹底的に行いますし、プロジェクトが完了した後でも進行の際に苦労したポイントを振り返って、今後さらにより良い方向を見出すための努力を繰り返しています。

■20%アイデア

業務時間の20%の時間を使って、新しいサービスなどの自由なアイデアを考えて、それぞれの表現方法で発表するという取り組みです。新しいサービスやプロセス、組織文化あるいはそれ以外の全ての分野に対して、自由にアイデアを提案する機会が与えられています。もちろん良いアイデアがあれば、実際にサービスデザインなどに活かされていきます。
デザイナーに求めるスキル・素養は何ですか
LINEのデザイナーに共通して要求されるものは、問題の本質を探し出してその問題を解決する能力です。

「How might we」という言葉があります。デザイナーは何を作るかではなく、どのように作るべきかで悩むべきです。 デザインに対して悩む際に、課題に対する理解、アイデアの発散・収束、プロトタイプ作成や検証などの多くのプロセスがあります。この段階を通じて、問題の本質と正確に向き合えるように意識し、最終的にビジネスやユーザーにとっての課題解決を実現するべきです。目標達成のために最も適した方法を選択し、どのように進めるか計画して、解決しなければならない問題に対して最適なソリューションは何なのかを学び、探求しながらデザインしなければなりません。

デザイナーはデザインスキルも重要ですが、自分の強みを正確に把握し、その強みをしっかりアピールできることも重要です。ポートフォリオを通じて、皆さんそれぞれの強みを最大限に際立たせてください。

そして、チャレンジしてください。入社試験においてもチャレンジの姿勢を持ってください。LINEのデザイナーを目指す皆さんには、面接やポートフォリオなどの機会で自分を表現することを恐れないでほしいです。一人ひとりが、デザイナーとして実現したい望みや想い、自分自身の個性を存分に表現してくれることを期待しています。
最後にメッセージを
時間は黙っていても流れていくものです。 考えていること、実現したいことがあるならば、勇気を出してまずはトライしてみてほしいです。

そして、自分自身をブランディングすることをオススメします。自分の差別化ポイントを考えることは、デザイナーとしての基本だと思います。

デザイナーには自分と異なる考えを持った人と出会い、理解するという経験、プロセスが必要です。

LINEには多様な専門性を持つ素晴らしいクリエイターたちがたくさんいます。 彼らと共に学び成長することを望むならば、今すぐチャレンジしてください。 新しいチャレンジを夢見ているなら、今がまさにそのときです。