写真左:Charmi 右:道下

LINEの課題解決プロセスに取り組む
リアルな難しさとやりがいを感じる経験

道下 洋明 / Park Charmi

この記事は、2022年サマーインターンシップ 企画職 就業型コースの募集時に掲載したものを一部修正して再掲載しています。サービス名称や所属は取材当時の内容です。

自己紹介をお願いします。

道下:LINEアプリの企画を行うLINE企画センター Enhanced Communication Product企画チームでマネージャーをしている道下です。私たちのチームの役割は、コミュニケーションをリッチにかつ楽しくするためのプロダクトを企画することです。主に担当しているのはLINEスタンプ関連の機能ですが、2021年に追加したリアクション機能など、LINEスタンプ以外の領域にも業務が広がっています。企画職 就業型コースのインターンシッププログラムには、受け入れ部門の担当として選考や参加者が取り組む課題の検討などに携わる予定です。

Charmi:同じくEnhanced Communication Product企画チームで、LINEアプリのスタンプショップの企画を担当しているPark Charmiです。新機能の企画やUI・UXの改善、他のサービスとの連携など、LINEスタンププロダクトに関係する様々な企画業務に携わっています。

インターンシップでは、メンターとしてまた同じチームの仲間として、参加者が担当する業務をサポートします。日々の業務の進め方のアドバイスをしながら、時には相談相手として、企画からリリースまで、一通りの企画職の仕事を実体験してもらえるよう手助けする役割です。手取り足取り手順を教えるということではなく、困ったら何でも聞いてねというスタンスで参加する学生さんの主体性を支えながら、限られた期間で企画業務の一連の工程を体験し、やり遂げられるよう、必要に応じてのアドバイスをしながら関わっていきたいと思っています。

企画職 就業型コースのインターンシップの概要を教えてください。

道下:企画職の就業型インターンシップでは、LINEの企画者が担う業務をできるだけリアルに経験してもらうことを大事にしています。ですので、机上のお題を用意するのではなく、僕たちが日々実際に取り組んでいる課題や業務の中から期間中にある程度の完了が見込めるものを選び、それを担当していただきます。

配属する部門やサービスは、面接などのプロセスで皆さんの志向・希望を聞き、個々の特性を踏まえて決定します。LINEの様々な事業はフェーズも課題も違うので、参加者一人ひとりが取り組むことの幅も大きくなります。

過去に取り組まれた業務の例を挙げると、「LINEのホームタブ上に、友だち同士の会話を生むコンテンツを盛り込む企画」「ユーザーがより快適に『LINEで予約』を使えるようなフォームの改善」、「『LINE Search』の検索体験の向上(UIの評価・改善、新規機能検討)」、「『LINEポケットマネー』のローン返済画面の改善、ユーザー獲得キャンペーン」など、本当に多岐にわたる領域・異なるフェーズのサービスや課題をそれぞれ担当していただきました。

Charmi:過去に私たちのチームに配属された参加者には、大きく2つの業務に取り組んでいただきました。1つ目はLINEスタンプ購入フローの中でユーザーに適切な情報を提供するための改善です。通常、クリエイターのアイテムを購入すると完了画面でそのクリエイターのLINE公式アカウントをフォローできるようにおすすめモジュールが表示されるのですが、過去にそのアカウントをブロックしたことがある場合、そのモジュールが再表示されないという仕様になっていました。

そこで、ブロックした経験があっても、再度おすすめの情報を届けられるよう、仕様変更の検討から取り組んでいただきました。参加期間である6週間の中で、企画を考えて仕様を作成するだけでなく、開発エンジニアへの説明やテストへの対応を経て、機能リリースの進行管理までを経験していただきました。

道下:一見簡単な変更に思えるのですが、システムの仕組みを理解したり、表示条件ごとに仕様を考えなければいけなかったりと、難しいポイントが散りばめられていたと思います。

仮にインターンシップ用に課題を作って体験してもらう形とすると、特定のメンバーや組織内だけでのやり取りで終わってしまい、他の部署との連携まではなかなか経験できません。実際にリリースするまでの工程を実体験することで、想像できること以上に具体的な判断を積み重ねなければいけないこととか、他の役割のメンバーとこれだけコミュニケーションしなければならないのかとか、それぞれ異なる役割のメンバーを巻き込むために意識すべきポイントなど、リアルな難しさも感じてもらえるのではないかと考えています。

2つ目の業務は、LINEアプリの既存コンテンツの活性化を目指す新規プロダクトの企画でした。LINEはユーザーのコミュニケーションをより良くより活発にするという課題に常に取り組んでいいて、様々な部署ごとにミッションを設定し、各チーム独自のアプローチを試みています。

私たちのチームは「既にあるコンテンツの新しい活用方法を発見し、新規プロダクトとして提供することでコミュニケーションを増加させる」というミッションを担っていて、チームの他の企画者と一緒にこの課題に挑戦していただきました。

Charmi:ほぼゼロベースからのスタートだったので、まずは既存コンテンツにおいて、ユーザーが内面に持っている要求はなにかを把握し、それに対する現在の課題を明確にする必要がありました。

他サービスをベンチマークしてユーザーが何を求めているのか考察したり、どんなプロダクトをつくりあげるべきかブレーンストーミングを重ね、アイディエーションを行いました。このプロセスに正解はありません。様々なやり方で発想を広げるだけでなく、ファクトを積み上げながら、ユーザーにインパクトを与えるアイデアをつくり出していくことが目的です。

アイデアがある程度具体化できたら、課題の解決に最もふさわしそうないくつかの案を選んでコンセプトを作り、周囲へのインタビューや事業部内・関係部門へのプレゼンテーションを行っていただきました。

道下:企画を形にしていくには、アイデアを出すだけでなく、関わるメンバーに企画者の意図を理解・納得してもらうことが必要です。この業務ではアイデアを具体化させ、関係者が理解できるようコンセプトを作り、プレゼンテーションするところまで「企画を形にしていく」プロセスを経験するのに役立ったと思います。

また参加者と実際に話していく中で、最初に考えていた案件より別の案件が向いているんじゃないかと、本人の強みや志向に近そうな課題を提供するなど調整もしていました。もちろん仕事なのですべてをそうするわけにはいかないですが、できる限り本人が意欲を持って取り組める課題やタスクをアサインするようにしています。前向きに課題に取り組んでいただきながら、自身の興味や関心が本当にLINEの企画の仕事に合っているか、難しさも含めてやりがいを感じられるか確かめてほしいです。

Charmi:実務的な部分以外にも、インターンシップ生同士での交流の機会や、企画部門の担当役員・様々な部門の社員・新卒でLINEに入社した近い世代の社員などと話す座談会など、LINEを深く知っていただくための機会を多く設けています。もちろん私たちや人事メンバーも1on1などを通して目の前の業務だけでなく、参加者のキャリアに関する相談を聞いたり、一緒に考えを整理したりしています。ぜひ今後のキャリアに活かせる会話をたくさんしましょう!

選考フローと、その過程で見るポイントを教えてください。

道下:まずエントリーいただいた後に、エントリシートと企画課題を提出いただきます。それらの選考を経た後に複数回の面接を行い、実際に参加いただく方を決定します。

企画課題においては、出されたテーマに対する企画内容の着眼点や課題解決の考え方、企画の背景から読み取れるその人の思考や視野の広さなどを総合的に見ています。また自分の考えだけで解決すべき課題を設定するのではなく、何らかの形でデータやファクトを積み重ねるといったことも重要です。そうした課題の捉え方や志向を見つつ、面接やエントリーシートの内容もチェックし、人物を理解した上で選考を行うようにしています。

面接で見るポイントとして、これまでの活動において、結果にこだわって取り組んだのか、そして簡単に物事が進まなかったり何らかの形で衝突したりしたときに、どうやって乗り越えていったのかを確認しています。LINEのように様々な経歴や異なる文化で育ってきたメンバーがいる会社で働くには多様性への意識も大切です。それぞれの考え方を受け入れてポジティブに活かせるか、周りの良さを活かしてチーム・組織で成果を最大化できそうかといったことも判断しています。

個人的には、ちゃんと気持ちを込めて仕事に取り組む人に参加いただければ嬉しいですね。単に仕事をうまくこなせばいいということではなく、自分の想いを持っていて、良いプロダクト・サービスを届けたい、あるいは社会を変えていきたいといった気持ちが見える人。

Charmi:私は新しいものを積極的に受け入れ、探求することが好きな人と一緒に働きたいです。IT業界は日々新しい技術やサービスが生まれていて、ものすごいスピードで変化しています。当然、プロダクトやサービスを作る側は、今後どのようなことが流行するのか、何が必要になるのかといったことについて、いち早くキャッチアップして具現化する必要があります。そういったことを楽しめる人に参加していただきたいなと思っています。

参加する人に感じ取ってもらいたいことはありますか。

道下:先ほども触れましたが、僕たちが普段取り組んでいる業務の一部をリアルに体験してもらうので自分が思っていたよりうまくいかないことの方が多くなるでしょう。難しい課題を本質的に理解しようとデータや仮説を何度も見直したり、一緒に課題に向き合うメンバーから「なぜ」を問われ、そのたびに考えを深化させ続けなければいけません。自分が最初に思ったどおりに進めることよりも、建設的に紆余曲折しながら進めることが企画の仕事だと思いますし、「なぜ」の追求が一番の醍醐味だと思います。その過程で、関わる周りの人を巻き込んでいくことができればベストですね。成し遂げられること、得られる経験も大きくなると思います。

Charmi:多くのユーザーに使っていただけている大規模なサービスであるがゆえに、仕組みや関係者が正直複雑な部分もあります。意見がぶつかることがあっても、自分とは違う立場や役割からもらえる意見を汲み取り、自分の考えを深め相手に伝えて、同じ方向を見ながら進む大切さを感じてほしいと思います。

企画職は明確な答えがない中で大事にしなくてはならない点を貫きながらも、様々な関係者の観点やUXなども総合的に考慮しなくてはならない、非常に難しい仕事だと思います。だからこそ、自分たちの考えたプロダクトがLINEのいろんなプロフェッショナルたちの力を借りて実際にリリースされ、多くのユーザーの手に届きその反応を目の当たりにできた時の喜びもとても大きいはずです。

企画者の仕事は、新しいサービスや機能のアイデアを出し、デザイナーやエンジニアにデザインや開発を依頼し、あとはリリースするだけだと思われがちです。しかし実際の業務範囲はすごく広く、多くの部門の人たちと絡んで一緒に仕事をしています。その中でどのように自分の企画を作り上げていくのかをぜひ経験していただきたいと考えています。

道下:あと、それぞれの先輩社員が持つ個性にも触れてほしいですね。企画のチームには様々な人がいて、新卒入社の先輩はもちろん、様々なキャリアや経験を持った多様な中途入社の人もいて、それぞれの価値観や強みがあります。LINEで活躍するには必ずこのパターンじゃないといけないみたいなことはなくて、色んな人が活躍しています。できるだけたくさんの先輩たちと関わって、自分のキャリアや将来の方向性を探ってみるのも面白いかもしれませんよ。

Charmi:私たち自身もインターンシップに参加いただく方々から刺激を受けたいと思っています。長期的に同じサービスを担当していると、気づかないうちに視野が狭まったり、固定観念が強くなったりしている面もあると思います。何らかの課題に自分たちの定石どおりのアプローチを選択しがちになることもあります。なので、参加する学生さんには率直に自分の意見や疑問をぶつけてほしいです。

インターンシップ生の意見だから必ず取り入れるということも、まったく聞かないということもなく、LINEはフラットに良いアイデアや意見を評価して取り入れる文化があります。本人の経験のためにも、LINEや一緒に働く私たちのためにも、積極性を持って臨んでいただけると嬉しいですね。

インターンシップでの経験は、その後の就職活動にどのように活かせると思いますか。

道下:LINEや企画職のリアルな現場を知ることで、一つの企業やポジションの仕事観をクリアにできることは、大きな経験になります。それにより、こういった業界で働きたい、あるいは企画職で働きたい、企画職とは別の職種で働きたいなど、自分のキャリアをより具体的に考えられるようになるのではないかと思います。

LINEの企画職・新卒採用に限った話をすると、インターンシップを経験された方がそのまま新卒採用に応募してくれて、本採用につながるケースもすごく多いです。実際の業務を担当していただくことで、その人のポテンシャルが見えやすく、僕たちも安心して本採用に推薦することができます。参加者にとっても、LINEや企画の仕事の何に魅力を感じたか、何を成し遂げたくて、なぜこのキャリアを新卒として選びたいかなどが明確になるはずなので、説得力を持って選考に臨んでいただけると思います。

最後に

Charmi:LINEはチャレンジすることを大事にしている会社であり、「これをやってみたい」と手を挙げるとチャレンジさせてくれる、仕事を任せてくれる社風があります。入社したばかりの新人であっても、その人にやりたいことがあり、それはやる価値があり、その人に挑戦できると判断されれば任せてもらえます。LINEは自分の能力を存分に発揮できる場です。まずそれをインターンシップで体感してみてください。

道下:LINEやサービス企画の仕事に就きたいと考えている人は当然歓迎なのですが、エンジニアと企画職で迷っているなど、興味があるけれど職種を決めかねているといった人でも挑戦してみてほしいです。

実際過去の参加者で、企画職で働くことを明確に決めきれずに参加した人がいましたが、インターンシップで業務を経験し、これは自分に合う仕事・環境だと感じられたことで入社を決め、来年からLINEの企画職として働く方もいます。もちろん、実際に体験してみてやっぱり違ったと思うかもしれませんが、それでもいいと思います。少しでも企画職に興味を持っているのであれば、ぜひチャレンジしてください。

限られた時間ではありますが、LINEのいち企画者としてどれだけ多くのユーザーにインパクトを与えられるかに挑戦してみてはどうでしょうか。インターンシップ生だから、社員じゃないからと遠慮する必要はありません。「こうするのがユーザーのためでは?」とみんなと議論を交わしたい、そんな気概を持っている人にぜひ来てもらいたいです。

そして、リアルな仕事に向き合うことで、LINEの環境や事業領域、企画職でできる挑戦と、自分が描いていきたいキャリアが重なるのかを、ぜひ確かめてほしいと思います。