インターンシップで明確になった、
LINEで企画者として実現したいこと

若林 勇弥

この記事は、2022年サマーインターンシップ 企画職 就業型コースの募集時に掲載したものを一部修正して再掲載しています。サービス名称や所属は取材当時の内容です。

自己紹介をお願いいたします。

2021年に企画職として新卒入社した若林勇弥です。LINE企画センターの Core Communication Product企画チームに所属し、LINEアプリのトークルームや、トークリストに関する企画を中心に担当しています。

入社してからこれまでは、トークルームでサーバー障害によってメッセージを送信できなかった場合に対応するための仕様の策定や実装、iOS15で追加された新しい機能への対応など、主に技術的な課題に対処する企画を担当してきました。

LINEのインターンシップに参加した経緯を教えてください。

Twitterでインターンシップの告知を見かけたことが最初のきっかけです。その告知はエンジニアのインターンシップを募集するもので、報酬の高さに惹かれたのを覚えています(笑)。ただ、自分の経験や開発スキルを鑑みると、エンジニアとして成果を生み出せる可能性はおそらく低いと考えました。そこで、他の募集コースも見てみると、当時は少し違う座組でしたが、今で言う企画職 就業型コースの募集内容が目に留まりました。企画職であれば何か貢献できることがあるかもしれない、自分のやりたいことや興味と合うかもしれないと思い、応募することにしました。

応募した背景には、学園祭の事務局での経験があります。私が通っていた大学の学園祭は大規模で、約300程度の企画が事務局に提出されるのですが、それらのほとんどすべてを紙ベースで処理していました。その処理がとても煩雑で、事務局のメンバーは長年繰り返し大変な思いをしていたんです。そこでWebアプリを開発し、そこから企画の申請や処理を行えるようにして効率化しようということになり、私ともう1人のメンバーで対応することにしました。

事務局のメンバーと話し合いながら仕様を決め、Webアプリを開発してリリースしたところ、SNSや直接口頭で「今年から申請が楽になった」などといったコメントをたくさんいただきました。開発に関してはあまり自信がなかったのですが、様々な立場のメンバーと調整しながら仕様を策定し、事務局が抱えていた長年の課題を解決する、企画職のような業務に関してはすごく楽しんで取り組むことができました。その経験や感覚があったので、企画の仕事なら貢献できるのではないかと思っていました。

選考では、企画書を提出する、企画課題のプロセスが印象に残っていますね。「LINEのサービスを用いて新たな価値を提供する」という課題に対して、企画を提案するという内容でした。サービス領域などの指定もなかったので、ここからどのように具体化して企画に落とし込むのか、長い時間をかけて悩みました。どんな価値を提供すべきなのかを考え、具体的な提案を設定して、実際に資料作りに着手する際には、論理的に一貫性のあるアウトプットにすることを心がけました。内容は提案の背景、企画提案の具体的な内容、効果予測の順で構成しましたが、その中に論理の飛躍があると、せっかく魅力的な企画を考えていたとしても、説得力に欠けてしまいます。限られたページ数の中で、読み手に納得感を与えることを意識し、誰が見ても違和感なく理解してもらえる「筋の通った」成果物を作成する意識は、今企画職として働くうえでも大切だと感じます。

さらにもう1つ、読み手にとってどんな機能・サービスなのかイメージがわくようにすることを心がけました。先述のように筋の通った成果物を作成するだけであれば、文字だけの企画書でも成立します。しかしそれでは、どんなサービスなのかを読み手が頭の中で補足・想像しながら読み解く必要があります。LINEはITサービスを生み出す会社であり、どんな価値・体験ができるかを伝えるには視覚的にも分かりやすくする必要があると考え、画面のイメージとしてUIを作成して掲載し、サービスのパンフレットのようなデザインにして提出しました。

インターンシップでは、どのような業務に取り組みましたか?

LINEのサービス競争力強化を目的に、新規事業・サービス、既存のサービスの改善などの企画を検討し各部門へ提案するチームに所属し、自分たちが考えた施策を資料にまとめ担当役員に対してプレゼンテーションするという内容でした。

企画のテーマとしたのは、LINEアプリを通じてコーヒーショップのチケットなどを送ることができる、「LINEギフト」の売上拡大です。企画の具体的な内容を考える際には、競合他社のアプリを調査したり、海外での状況などを調べたりしたほか、ユーザーインタビューも行いました。

最終的に提案したのは、LINEで送信しようと入力しているメッセージの中に、「誕生日」などの特定のキーワードが含まれていれば、LINEアプリのギフトをサジェストするという企画です。最初は「誕生日などと入力するだけでギフトがサジェストされるのは目障りだとユーザーに言われるのではないか」と不安がありましたが、ユーザーインタビューを行ってみると、思っていたよりも感触がよかったので、提案する企画の1つに含めることにしました。この経験から、「これは良い」という自分の感覚ももちろん大事ですが、定性・定量の両側面から得られるさまざまな情報も大切だと気づきました。そうやって提案をブラッシュアップしていく過程は難しさもありましたが、非常に面白かったです。

提案をまとめる際には、メンターの方に丁寧にサポートしていただきました。先ほど、企画課題選考の際は、筋の通った提案を心掛けたと話しました。実際のサービス提案となると背景や企画の内容、ユーザーに提供する価値などをさらに詳しく、かつ分かりやすくまとめる必要があります。メンターの方にはストーリーが分かりにくい部分に「こうした客観的なデータや説明を追加してみるとどうか」など、細やかにフィードバックしていただきました。企画者としての提案の作り方や伝え方、押さえるべき観点など、実際の経験に基づく生きたノウハウをたくさん知り、また体感することができ本当に参考になりました。メンターの方はもちろん、LINEには立場や役割に関わらずフラットに会話できる人が多いので、いろんな方に、様々なことを相談させていただきました。

インターンシップ中に感じたこと、得た経験を教えてください。

何より強く印象に残っているのは、LINEで企画者として働いている人たちはみんな自分たちのサービスのことがすごく好きで、広く深くあらゆることを考えていたことです。真剣に、LINEや担当するサービスのことをすごく考えているからこそ、こういう機能があったらユーザーにもっと喜んでもらえるのではないか、あるいはここはこうであるべきではないかなど、様々なアイデアが生まれてくるのだと感じました。本気で取り組んでいる人たちの姿に良い刺激を受け共感できたことは、自分の進路を選ぶ大きな要因になりました。

LINEのインターンシップは、インターンシップ生だからといって特別扱いするのではなく、期間限定であるけれど1人の社員として扱われます。インターンシップ生がプレゼンして満足して終了、ということが目的ではなく、ともにユーザーに使いやすい、より楽しく使える企画を届けることを目指していると感じました。だからこそ僕も本気で向き合い、その過程での学びを自分の糧にしようと思って臨みました。ときには厳しいフィードバックもあります。役員にプレゼンテーションをした際、細かな所作から刺さってないなと感じて、とても焦った記憶もあります(笑)。いかに論理を構成して、自分の話や提案の価値を効果的に訴求できるかという点も重要であると感じた場面でした。

また参加前に描いていた企画職のイメージとは異なる部分もありました。参加前は、企画を考える初期の段階から、どれくらいのユーザーに使ってもらえるのか、そしてそれによってどの程度の売上が発生するのかを起点にしているのだと思っていました。もちろんユーザー数や売上は重要ですが、LINEでは「どのようにしてユーザーニーズに応えるのか」を非常に重視し、それをスタート地点にして企画を構成していることがわかりました。

たとえば私が期間中に検討したテーマの「LINEギフト」では、最初に「利用者数を〇〇件増やしなさい」ではなく「より多くのユーザーにLINEギフトを使ってもらうにはどうすればいいか?」というお題が提示されました。そこで、海外事例のベンチマークを行い「どうして海外のユーザーはこんなにギフトを送るのか?」ということを考察したり、ユーザーインタビューを実施して「ユーザーはどんな時にギフトを送りたくなるのか?」という点を洗い出していったりしたことで、自分なりにどのようなユーザーをターゲットにするかを明確にすることができました。これは、はじめから数字を追いかけていたら辿り着かなかった視点だと思います。

ターゲットが明確になると「こんな仕様にしたら喜んでいただけそう」「自分がこの立場だったらこのサービスを利用するな」といったイメージが湧きやすくなります。少し遠回りのように思えますし、自分が勝手にイメージしていた企画の作り方とのギャップには少し驚きましたが、ターゲットとなるユーザーを深く理解すればするほど「どうしてこの仕様のほうが使ってくれるのか」という点を論理的に説明しやすくなり、結果としてユーザー数や売上の向上につながる企画を提案できることを学びました。

個人的に悔しかったのは、当時のインターンシップでは企画案を資料にまとめ、発表するところで終わってしまったことです。実際にプロダクトとして形にするためには、そこからデザイナーやエンジニアの方とコミュニケーションし、リリースまでのプロジェクトマネジメントを行う必要がありますが、期間の問題もありその部分は経験できませんでした。当時のプログラムでは特に企画のアイディエーションやそれに紐づくリサーチ業務を経験することに重きを置いていたとのことでしたが、実際に形にするところまでをもっとやってみたかったという気持ちがありました。

その点、最近の就業型コースでは、仕様の検討から実際のリリースまでの企画業務の工程を、できうる範囲で一通り経験できるよう設計していると伺いました。実際にリリースするまでには本当に沢山の専門家との関わりや、ここまでやるのかという業務の幅広さがあります。それを経験できるのはすごくうらやましいです。絶対に良い経験になると思います。

社員として入社することを決めたポイントはありますか?

インターンシップに参加したことで、最もよく知ることができて具体的な興味を持てた企業がLINEになったことが大きな理由です。また会社からしても、インターンシップの業務を通して僕の関心や強みが伝わり、マッチすると感じていただけたのか、本採用選考の案内をいただいて応募しました。インターンシップ期間中には、LINEの一員として働くことで、多くのユーザーを抱えるサービスの企画立案に直接関わることができ、多くの人々に大きな影響を与えうることが理解できました。そして、今度は正社員として、機能のリリースやリリース後の振り返りまでリードすることで、ユーザーがよりポジティブなコミュニケーションを楽しめる環境を提供したいと、LINEに入ってから実現したいことを具体的に考えるようになりました。このような意思を本採用選考の場でお伝えし結果、こうしてLINEの企画職として働くことになったのだと思います。

LINEで働きたいと思ったのは、繰り返しになりますが、自分が担当しているサービスのことが本当に好きで、それについて真剣に考えている人がたくさんいる空間だったからです。そういった環境が僕は好きで、ここで働きたいと思うようになりました。実際に入社しても、周りは仕事に対してポジティブに取り組んでいる人たちが多くて、一緒に働いていて楽しいですね。

LINEやLINEのインターンシップに限らず、就職活動におけるアドバイスはありますか。

まずインターンシップに関して言えば、包み隠すことなくお互いについて理解できる期間だと考えています。会社のことを理解するだけでなく、会社に自分のことを理解してもらうことができるチャンスであり、新卒採用の本選考に進む場合には大きなメリットがあると考えています。

いろんな社員と直に接することによって、自分がどういう基準や優先順位で会社やキャリアを選ぶのかについて、考えるヒントが得られるのではないかと思います。たとえば会社の雰囲気が合わないとか、仕事にやりがいや、その領域で成長したいという前向きな強い意欲が持ちきれないということもあるかもしれません。もちろん逆に、私のように期待していた以上に楽しく熱量持って取り組めるということを確かめられるかもしれません。
そうした自分の考えを深める経験が得られることが魅力ではないでしょうか。

LINEのインターンシップを経験するメリットとしては、日本だけでも数千万人が利用しているLINEアプリをはじめとする、規模や影響力が大きいサービスに携われることだと思います。これだけのサービス規模になると、本当に様々なユーザーがいることを実感できると思いますし、また様々なユーザーの声を聞くこともできます。大きなサービスだからこそ気をつけないといけないポイントもあり、課題の難易度も高いものが多いと思います。そうした環境での経験は、企画者としてのキャリアを積み重ねていく上で、確実に財産になると感じています。

就職活動に関してのアドバイスとしては、あまり無理はしないようにと伝えたいですね。すごく無理をして思ってもいないことを書類に書いたり面接で話したりして採用されても、その後もっとしんどい状態になると思います。そうではなく、等身大で就職活動に臨み、自分の考えや体験、好きなことや興味があることを率直に伝え、お互いに理解を深めて、自分に合う環境を見つけることが一番大切だと思います。

最後に

少なくともLINEで言えば、社員のみんなが真剣にプロダクトやサービスについて考えていて、同じ志を持つ仲間と楽しく働くことができます。就職活動は本当に大変だと思うのですが、みんなが真剣に担当サービスのことを考えている環境で働くことができればきっと面白い経験になるはずなので、それを目指してなんとか頑張ってほしいと思います。