刺激を与え合える機会にしたい

ENGINEER:川崎 康平

これまでのキャリアや現在の仕事内容は

前職はデジタル広告を扱う会社でマークアップエンジニアとして働いていて、ブランドサイトやキャンペーンページのコーディング・開発などを比較的幅広くやってました。

LINEには、2015年6月にフロントエンドエンジニアとして入社して、Webサービスの行動データを収集するための基盤開発などをしていました。 現在は、Front-end Standardizationチームというフロントエンド開発の関連組織のマネージャーをしています。 具体的な業務内容は「LINE DEVELOPER DAY 2017」でお話ししているので、そのときの動画や講演資料を見ていただけると。

作って終わりにならない開発を

インターン内容の決め方は

昨年一昨年と2回チューターの一人として関わっているのですが、担当してもらう課題を決める際には、予めいくつか案を用意しておいて、その中から参加者と話し合って選んでもらっています。

課題は、社内外に広く成果として残せるような開発プロジェクトを意識して考えています。昨年だと、デザイナーや企画者がサービスUI改善の参考にするため、利用動向をヒートマップにして分析するツールを作ってもらって、一昨年は、エンジニア向けにJavaScript上で発生したエラーを収集して可視化・通知する仕組みを開発してもらいました。

進め方を説明すると、まず最初の1週間はキャッチアップの時間。期間が限られているので、課題に対して必要なインプットを集中的に行っています。ドキュメントや関連するソースコードを読んでもらいながら、同時に課題設定やマイルストーンを話し合って、いつまでにどこまでやるかを固めるようにしています。

2週目以降は設定された課題に向けて作業を進めますが、予定通りに進行するというよりも、走りながらも課題の再設定や調整を行う感じです。後半は、成果発表の1週間前までに一旦仕上げてもらい、社内ローンチして使ってもらうなどして、フィードバックを受けて改善するところまで目指します。目標通り進まないこともあるのですが、作って終わりにならない開発をしてもらいます。

実際に去年は、開発したヒートマップツールを使った分析結果からサービスの改善提案をしたり、逆に企画職の人にツールを触ってもらうこともできました。去年のインターンは2ヶ月間参加してくれたので、チャレンジできることが多かったです。

学生を受け入れて感じたことは

フロントエンドはトレンドの移り変わりが速いので、実は経験年数が多くなくても十分にキャッチアップができている・知識を持っている人は学生の中にも多くて。そういう学生だと、エンジニアとして対等な議論ができて、思いつかない視点から解決策提示してもらうこともありました。

あと、消化スピードも早くて、私たちのチームでは社内のPaaSを使ってアプリケーションを動かすことが多いのですが、「あとでちゃんと説明しないとな」と思っていたら、いつの間にか自分でドキュメントなど拾って「デプロイしちゃっていいですか?」って言われたりして。本当に学生か!?と驚かされます。こちらも刺激を受けましたし、当たり前なんですけど僕らもいい刺激を与えなきゃという意識も働くので、お互いにとって有意義な時間を過ごせたんじゃないかなと思います。

学生が苦戦しがちなポイントやギャップは

学生の方からは必ずと言っていいほど「もっと遅くまで働いていると思ってました」と言われます。短い期間で何かにフォーカスして開発していくのって楽しいので、学校や普段の生活だと人よりも居残ってやるとか、ご飯食べた後寝る前に気が向いたらやるとか、自分で時間を見出すこともできると思うんです。

でも、仕事で行う開発だと、そういうことは基本的にできない。出社してからの時間を効率的に使う必要があって、普段の時間感覚でやると多くの場合は、目標に届かなかったり、何かを妥協することになります。時間の使い方というか、その辺りは失敗しやすいところかもしれません。

働く時間を増やして進捗やクオリティをカバーすることはできないし、仕事ではやっちゃいけないことです。時間に限りませんが、次の人や周りの人が居る、協力して進めるという意識は仕事で働く上で重要な感覚だと思います。

LINEでエンジニアとして働くということ

インターンで求めるスキルや基準は

冒頭にも触れましたが、フロントエンド開発はトレンドキャッチアップができているかどうかは指標になると思っています。知識として知っているかだけでなく、ドキュメントやソースコードを読んで、内部的な挙動を理解できるかなど、エンジニアとしての基礎力は見るようにしています。

というのも、LINEの中に入ると表には出ていないインフラやサービスなどをキャッチアップすることも多い。なので、経験・スキルを持っていることに加えて、新しく習得するスピードやそのための基礎知識や習慣を備えていることが大事だと思っています。

パーソナリティとしては、”チャレンジできそうか”ですかね。インターンの進め方としては、言われたことをやるという感じではなく、課題に対してどういうアプローチでやるかを考え、話し合うところからやってもらいます。だから、自発的に提案ができたり、既にあるものに対しても意見を言えるか、そういう姿勢があるかは重要です。

活躍している人の特徴は

個人的に思っていることを言うと、”良い生意気さ”を持っていること(笑)。誰が言ったかよりも、何を言ってるかが大事なので、一般的に言われていることと違っていても、自分なりに常にベストを考えて模索することが大事だと思います。もちろん、”良い生意気さ”には尊重がちゃんと入っていることがすごく重要で。色んなものを物事の意図や背景をちゃんと汲み取った上で、ここが違うと言える人は、既存を既にあるものを取り込んだ上に自分の考えを乗せることができるので、すごく伸びている印象があります。

あえて言うと、LINEに向かない人は

失敗が怖いという気持ちは誰でもあると思うんですけど、「絶対に失敗したくない」という思考が強すぎる人は、LINEに入ると辛いことが多いんじゃないでしょうか。”とりあえずやってみよう”が多い会社なので、安定感を望む人は向かない気がします。あとは、LINEは本当に多様性のある会社なので、形式にこだわりすぎる人だと周りの違いを受け入れることが難しくなるのかなと。

あと、誤解を恐れずに言うと、個人的にLINEは新卒にとって試練の多い会社ではないかと(笑)。カリスマがいて、その人にさえ従えってさえいれば上手くいくということがLINEにはなくて、どうやったら上手くいくかを自分で考え続けなければいけない。それを考える材料として、失敗やチャレンジの経験が必要な場面もある。新卒で上手く成果を出せる人は、個人的にトライ&エラーを経験として繰り返している人が多い印象があって、かなり貴重な存在だと思います

家族や友人が使うサービスだからこそ

川崎さんが考える、LINEで働くやりがいや価値は

フロントエンジニアとして言うと、触れる技術が多いことですかね。例えば、「LINE」アプリのニュースタブはReactなんですけど、同じニュースを扱うところでも「LINE NEWS」の天気や占いに関する機能はVue.jsで書かれているなんてことが割とあります。それは普段使っているものがあるからそれを使おう、とならずに要求に対して必要なものを採用しようという考え方からです。ある一定のところに寄りすぎずに、エンジニアとして経験できる範囲が広いと思います。

あと、何より人の目に触れる機会が多い。LINEで働いていると作るものが家族や友人が使っているというケースも多くて。切羽詰まってくると、楽に実装したくなることも正直あるんですが、「これを堂々と自分が作ったって言えるか?」と考えると、妥協できないなと思ったりします。そういった点で、自分の仕事に対する誇りみたいなものを感じやすい会社だと思います。

あと、僕はデータ活用にも興味があったのですが、LINEは様々な属性の人が使っていて多様なデータが集まりやすい会社なので、その点は個人的に魅力的なポイントです。

LINEで働き続けている理由は

何かしらのフラストレーションや問題があったときに、それに対して”自分が働きかけることができそうか”は大事だなと思っています。

例えば、WebView から Cordova などを通じてネイティブアプリの機能を呼び出した時に、APIに問題がありそう、というケースがあったとします。これはフロントエンドエンジニア的にはどうしようもないポイントだけど、往々にして問題の調査や報告は一番ユーザーに近い部分を担当する自分が引き受けることが多いです。そういった時に、組織が大きいと担当領域外のソースコードは一切見られないということは少なくないと思うのですが、LINEでは、エンジニアであればGitHub Enterpriseのレポジトリの権限があって全てのコードが見ることができます。あわよくばPull Requestを送ることもできる。あなたはこの立場だからこれはやっちゃいけない、口を出したらいけないみたいな制約が少ない。その点はいい意味で自由なところで、働いていてネガティブになりづらいのではないかなと思います。

一緒に働く人に期待することは

楽しんで仕事ができていること、あとは周りに刺激を与えられるようなものがあること。何か尖っているといいですね、この分野については、自分が一番なんだという何かがある。社内外でポジションを確立できるような人だと、周りにもいい影響があるし、その人がキャッチアップできていないところがあっても、お互いが補完していくような環境が良いと思います。

最後に、学生の皆さんに一言

自分が学生の頃そうだったんですが、学生の立場からすると、LINEみたいな企業は必要以上に大きく見えてしまうことがあると思うんですよ。さらに言うと、LINEという会社で働いている社員はめちゃめちゃすごい人たちで、そのすごい人が言っていることは間違いのないことだと。でも実際には同じ一人のエンジニアで、人間的にも1対1で、脳みその重さも一緒なはずなので、変な尻込みや遠慮はして欲しくないと思っています。

働くためのサポートは先輩としてするんですけど、いざ仕事になったらエンジニアとして対等に課題を解決して、成果を残していきたい。インターンは期間の制約もあるけど、そういうマインドの人と働きたいですね。

INTERVIEW