適用法令と当社の考え方
2021.03.31
プライバシーに関連してLINEに適用される法令は、運営会社であるLINE株式会社(以下、「当社」)の所在地である日本国の個人情報保護法、電気通信事業法などが第一に挙げられます。
当社はお客様のプライバシー保護を経営の最重要事項とし、個人情報の定義を法律よりも幅広く捉え、メッセージの内容などは「通信の秘密」として特に厳密な保護の対象としています。
個人情報保護法―個人情報の定義
「個人情報」は、個人情報保護法第2条第1項によると、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。」と定義されています。
逆に言えば、この定義に当てはまらないものは「個人情報」ではないということになります。たとえば、携帯電話番号などは単体では特定の個人を識別できる情報ではなく(携帯電話番号だけでは、どこの誰というところまでは分かりません)「個人情報」に該当しないという考え方もあり得ます。
しかしながら、あるデータについて、個人情報保護法上の「個人情報」に該当するか否かを明確に判断するのは困難が伴います。一般に「個人情報」とされる氏名であっても、同姓同名の方がいらっしゃる場合などは「特定の個人を識別」できたとは言い切れないこともあります。また、携帯電話番号が「個人情報」ではないとされた場合、個人情報保護法の適用外になりますが、だからといって安易に第三者に渡してよい情報ではなく、そもそもお客様のプライバシー権を侵害しないためにも粗雑な取扱いをすることは厳に慎まなければならないと考えます。
そこで、当社では、個人情報保護法が定める「個人情報」の枠を超えて、お客様からお預かりしている携帯電話番号、メールアドレスなどのお客様個人の情報、お客様が設定したLINE ID、ニックネームなどの情報などはもちろん、当社がアカウントに設定する内部IDに至るまで、「個人情報」の定義を法律よりも広く捉えたうえで厳格な社内ルールを設け、慎重に取り扱っています。
電気通信事業法―通信の秘密
当社が提供するメッセージ通信サービスは「電気通信事業」に該当し、当社は日本における監督官庁である総務省に対し電気通信事業者として届出をしています。電気通信事業者である当社は、電気通信事業法を遵守しなければならず、中でも重要なものが「通信の秘密」の保護です(同法4条参照)。通信は人間の社会生活にとって必要不可欠なコミュニケーション手段であることから憲法上の思想表現の自由の保障や個人のプライバシーの保護が「通信の秘密」を保護する趣旨とされています(多賀谷一照ほか「電気通信事業法逐条解説」参照)。ここで言う「秘密」は、「一般に知られていない事実であって、他人に知られていないことにつき本人が相当の利益を有すると認められる事実」であり、一般人が通常秘密にしようとする蓋然性のある客観的秘密だとされています(同前)。
当社が提供するアプリ上で送受信されるメッセージの内容などは極めて重要なプライバシー情報であり、第三者はもちろんのこと、通信を媒介する当社も「通信の秘密」を侵害してはなりません。この「通信の秘密」の保護は日本国憲法上の要請でもあることから非常に厳格なものと捉えられております。当社もその重要性に鑑み、厳格な社内ルールを設けて通信内容を保護しております。
以上